昨日あたりから気温が上がってきました。
また、明日から冷えてくるようです。
このように行きつ戻りつする自然を体感していると、
「一足飛びにいかないのが、あたりまえ」と思えます。
瞬時に物事が展開して、仮想に囲まれた生活をしている現代人にはこの思うようにならないゆっくりとした、時に後戻りさえする自然とのつきあいが修行のように感じられることもあります。
でも。
忘れているだけで、人間だって自然のもの。
行きつ戻りつすることばかりだって、本当は知っているんですよね。
その小さな変化を楽しむことが日々の暮らしだって、昔の人はよく知っていたんでしょうね。
10日前は凍り付くような寒さだったのに、たぶん10日後は春の日射しを感じられるように思います。
昨日と今日とではわからなくても、ささやかな行きつ戻りつを感じて、楽しめる人でいたいなと思います。
細いつるの間の新芽。わずかに色づいています。
クレマチスの新芽です。
小さな鉢植えの小さなカエデの新芽です。
膨らんでるのかどうかよく分かりません。
でも、かっちりと縮こまっていた真冬の頃より、ほぐれている感じです。
カエデは新芽のほころびが一番早くて、「ほころびかけたら植え替え」と思っているので、油断なく観察しています。
本当は油断して、ちっちゃな葉っぱが出てきても植え替えはできるんですけどね。
春は小さな庭はとっても忙しくなるので、よくよく見回って順番にいろんな作業を進めなくてはなりません。
鉢の中の落ち葉の陰に小さな黒いイモムシを発見しました。
今年の戦いの始まりです。
春は息を潜めてすぐ側にきていますよ。
昔話風ファンタジー
天狗童子 佐藤さとる 著 村上 豊 画
コロボックルシリーズで有名な佐藤さとるさんですが、こちらの天狗のお話もとっても深みがあります。
そもそものおはなしは1983年に書かれたものだそうですが、2009年に完全版としてソフトカバーで刊行されています。手元にあるのはこの2009年版。あかね書房発行です。
さらに2012年に加筆?改稿?された新刊が講談社から文庫で出ています。
細かく読み込まないとどう変わって言ってるのかはわかりませんが。
ほうきにのってびゅーんと飛んでいく西洋のファンタジーもいいですが、和風の天狗とかカッパが大好きなんですね。
作家自身が育ててきたおはなしって、いいですよ。
深みも味も吟味されて世に送り出されてきた感じで。
絵もとっても味わい深くて、誰でもきっとどこかで目にしたことがあるほどあちらこちらで挿絵を描かれてきた方のものです。
いろいろ口を挟んで、邪魔をしたくないので、ぜひ一度手に取ってみてはどうでしょうか。
この本、大人じゃなきゃ楽しめませんから。
頭をほぐしたくなったときにおすすめです。